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Legacy Singapore

Legacy International Management Pte. Ltd.
Yoshimi Hirooka
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税法上の居住法人の定義

シンガポールの居住法人とは、シンガポール国内で事業の経営および管理が行われていることを前提としており、通常、外国企業のシンガポール支店は海外本店により経営と管理が掌握されているため、居住法人とはみなされない。税法上は、内国歳入庁(IRAS)が、登記場所や法人の居住地が定款に記載されているか否かなども考慮した上で居住者/非居住者であるかを判断する。居住法人・非居住法人とも法人税率をはじめとして適用される税制は同じであるが、居住法人のみが享受できる新会社に対する免税措置、国外源泉所得に対する免税措置、二重課税回避条約に基づく源泉税の減免など税制優遇を非居住法人は享受できない。

 

課税対象(属地主義)

シンガポールに源泉がある所得、ならびにシンガポール国外源泉所得のうちシンガポールで受取られる所得が課税対象となる。シンガポールで受取られる国外源泉所得については、国外源泉所得が国外で課税の対象となり、かつ国外の最高法人税率が15%以上である場合は、シンガポールに送金される配当金、国外支店の所得、非個人のサービス収入は免税の適用対象となる。 非居住者がシンガポール国内外にまたがって取引や事業を実施する場合、その取引や事業の利得および利益は、シンガポール国外で実施された業務に直接帰属しないとされる範囲においてシンガポールに源泉があるとみなされる。シンガポール源泉所得総額を明確に算出する責任は納税者にある。

 

所得

 

事業所得

配当金、利息および賃貸料など投資所得

ロイヤルティ、プレミアムおよびその他の資産から稼得された利益

収入の性質を有する上記以外の利得および利益

 

費用

課税所得の稼得のために専ら発生した費用は原則として損金算入できる。資本控除は工業用の建物および構造物、設備、機械ならびに特定の知的財産について適用可能である。 但し、社用車の減価償却は損金算入不可。

 

 

キャピタルゲイン

シンガポールにはキャピタルゲイン税はないが、繰り返し発生する性質のもので所得とみなすことのできるものは所得税の課税対象となる。売却益が資産の減価償却後の価値を超える場合は、過去における減価償却の範囲で所得税の課税対象となる。

 

法人税率

2010賦課年度より、法人税率は居住法人・非居住法人ともに17%に改定。

     課税所得控除

S$10,000までの課税所得は75%控除。

次のS$290,000までの課税所得は50%控除。

従って、S$300,000の課税所得の場合は、

(S$10,000X75%)+(S$290,000X50%)X 17%= S$25,075  実効税率8.36%

 

     優遇税制

さらに新しく設立された法人に対しては設立後3年間の優遇税制があり、

最初の課税所得S$100,000 全額控除

次の課税所得S$200,000 50%控除

(株主20名以下のPrivate Company、いわゆるExempt Private Companyの場合)

従って、会社設立後3年間は、3年間の総所得S$300,00に対して

課税所得はS$100,000のみとなり、実質税額 S$17,000、実効税率は5.67%     となります。

 

実効法人税率比較

    事業所得に対する実効法人税率(2009年末決算で適用される実質法人税率)

年間事業所得

S$200,000

S$400,000

シンガポール

8.30%

10.50%

香港

9.20%

14.10%

マレーシア

23.60%

25.80%

タイ

25.30%

31.10%

インド

33.00%

33.50%

中国

26.90%

35.40%

オーストラリア

32.50%

39.50%

 

源泉税率

     シンガポールに源泉のある所得が非居住者に支払われる場合は原則としてロイヤルティの源泉税率は10%に抑えられており、借入や債務に関して支払われる利息、手数料などには15%の軽減税率が適用される。取締役報酬、技術支援料およびマネジメントフィーの源泉税率は18%もしくはその時点の法人税率が適用される。

     シンガポールは20031月より従来のimputation方式を改め、one-tier制の法人税制を採っている。この制度では、法人が課税所得に関して納めた税金が最終課税となり、法人が株主に支払った配当金は全て非課税扱いとなる。このため、5年間の移行期間を経た20081月より、シンガポール企業が非居住者に対して支払う配当金はシンガポールにおける源泉税の課税対象とはならない。

     特定の支払いについては、二重課税回避条約、シンガポール所得税法の規定または政策に従って源泉税の免除または引き下げが適用される場合がある。特に日本−シンガポール租税条約に基づき利息の支払には10%の軽減税率で源泉税が適用されることになっている。

 

欠損金の繰り戻しおよびグループ合算

     一定の条件の下、企業は未利用の減価償却額および事業上の損失額について、将来の所得と相殺するための繰越(欠損金の繰り戻し)または関連会社への引継ぎ(グループ合算)を行うことが認められている。また中小企業は、現行年度における未利用の減価償却額および事業上の損失額を1年間繰り戻すこともできる。

     関連会社とは、シンガポールで設立された法人で、75%以上を直接または間接的に保有している会社を指す。

     20091月に発表された2009年度政府予算において、景気対策「回復パッケージ」の一貫として、2009賦課年度および2010賦課年度に未利用の減価償却額および事業上の損失額が発生した場合、3年間に渡って繰り戻しすることができるようになり、また繰り戻しできる欠損金額上限もS$100,000からS$200,000に引き上げられた。

 

企業間取引

     シンガポールには正式な移転価格税制は存在しないものの、企業間取引に独立企業間価格の原則を適用する例は所得税法の多くの規定や二重課税回避条約全般において見られる。

     所得税法には租税回避防止規定があり、これによって非居住者−居住者間における取引が独立企業間価格に基づいていない場合、内国歳入庁は非居住者への課税を居住者名義で行うことができる。所得税法により内国歳入庁には特定の移転価格の取り決めを調整する権限が与えられており、この調整は当該の移転価格の取り決めが節税目的であることを内国歳入庁が確認した場合に実施される。

     納税者による「事前確認制度」の適用については正式な手続きが定められており、企業間取引に対する課税の取り扱いを明確に把握するための機会が提供されている。

 

企業が提出すべき申告書

     法人税の納付企業は、2008賦課年度については20081130日まで、また2009賦課年度以降も各年度の1130日までを期限として内国歳入庁に所得税申告書(フォームC)を提出することが求められる。申告書には監査済財務諸表、税額計算書、裏付資料を添付しなければならない。

     申告書を期限までに作成できない企業は、当該賦課年度の会計期間末から3ヶ月以内に課税所得の推定額を内国歳入庁に提出しなければならない。

 

税制上の優遇措置

シンガポールでは外国企業の誘致や産業振興を図る目的で様々な優遇措置が設けられている。これらの優遇措置は所得税法( Income Tax Act )および経済拡大奨励法( Economic Expansion Incentives Act )に規定されており、そのうち製造・サービス業を対象とした優遇措置の主な管轄当局は経済開発庁( EDB )である。

 

個人所得税

     個人の居住者には累進課税制度が適用される。最初の S$20,000 までの所得額に適用される税率 0% であり、 S$320,000 を超える所得額に適用される最高税率 20% となっている。(超過累進課税) 非居住者である個人の雇用所得には一定税率 15% で計算される税額、もしくは居住者に適用される税額のいずれか高いほうの税額が適用される。非居住者である個人の取締役報酬、コンサルティング・フィー、その他の所得には 、一定税率 20 %が適用される。

     外国人がシンガポールで就労する場合、年間 183 日以上シンガポールに居住すると、その個人は所得税法上の居住者であるとみなされ、居住者と同様の所得税申告をする義務がある。賦課年度を跨って続けて 183 日以上居住した場合も居住者とみなされ、二賦課年度に渡って居住者と同様の所得税申告をする義務がある。年間の滞在日数が 61 日以上 182 日以下の場合には非居住者とみなされ、非居住者の所得税率が適用される。但し、シンガポール国内の滞在日数が年間 60 日を超えない場合は所得税免税の対象となる。

 

シンガポール所得税の速算表

課税される所得金額 

適用税率

税額        

所得範囲

税額      

実効税率

S$20,000 

0%

S$0

 

S$0

 

S$20,001から次のS$10,000 まで

3.50%

S$350

最初のS$30.000

S$350

1.2%

S$30,001から次のS$10,000 まで

5.50%

S$550

最初のS$40.000

S$900

2.3%

S$40,001から次のS$40,000 まで

8.50%

S$3,400

最初のS$80.000

S$4,300

5.4%

S$80,001から次のS$80,000 まで

14%

S11,200

最初のS$160,000

S$15,500

9.7%

S$160,001から次のS$160,000 まで

17%

S$27,200

最初のS$320,000

S$42,700

13.3%

S$320,001から次のS$320,000 まで

20%

S$64,000

最初のS$640,000

S$106,700

16.8%

 

 

 

最初のS$1,000,000

S$178,700

17.9%

 

 

 

最初のS$2,000,000

S$378,700

18.9%

 

 

 

最初のS$3,000,000

S$578,700

19.3%

 

個人所得税実効税率‐日本との比較

 

所得額

日本の実効税率     

シンガポールの実効税率

(邦貨換算概算)

 (控除後、住民税10%含まず)

 

200万円

5%

0.65%

350万円

7.05%

2.48%

700万円

13.85%

6.12%

900万円

15.93%

7.91%

1800万円

24.47%

11.84%

2000万円

26.02%

12.35%

3000万円

30.68%

14.36%

 

 

財・サービス税( GST Goods & Services Tax

     財・サービス税は 1994 4 1 日に導入された税金で、基本的に全ての財貨およびサービスが課税対象となる。例外として課税の対象外となるのは主に金融サービスと住宅用不動産の販売・レンタルである。広告代理店、旅行代理店、物流業者、電子商取引事業者などの提供するサービスのうち国際サービスとみなされるものについても GST 課税の対象外となる。

     2007 7 1 日より GST の標準税率は 7% となっている。

     GST の制度上、年商 100 S ドル以上の企業は内国歳入庁( IRAS )に GST 登録を行い、自社の商品やサービスを国内で販売・提供する際に GST を課す義務がある。年商が 100 S ドルに満たない企業でも任意で GST 登録をすることができる。輸出品の GST はゼロ課税扱いとなる。輸入に際しては輸入通関時点で原則あらゆる商品に GST がシンガポール税関により徴収される。輸入品が自由貿易地区( FTZ )や指定保税倉庫に搬入される場合、再輸出を前提とした一部加工が国内で行われる場合、修理や展示会出展のため一時的に国内に輸入される場合など輸入時点で GST の徴収が猶予または免除されることがある。

 

印紙税( Stamp Duty

     不動産売買、不動産賃貸、株式譲渡、不動産・株式の担保権設定など特定の契約文書・書類には印紙税が課される。印紙税は従価税率または書類ごとに定められた固定額で賦課される。

     2010 年度予算により、構造改革に向けた合併・買収( M&A )支援税制として、 2010 4 1 日から 2015 3 31 日までの間に実行された合併・買収には 20 S ドルを上限として印紙税が免除されることとなった。また、不動産投資信託( REIT )で 2010 2 18 日から 2015 3 31 日までの間に締結された契約文書についても印紙税が免除される。

 

不動産税( Property Tax

     不動産税の税率は物件の年間評価額(土地の場合には推定土地評価額の 5 %、住宅用不動産または商業用・工業用不動産の場合には推定年間賃貸料に相当)の 10 %である。所有者自身が入居する住宅用不動産には年間評価額の 4 %の軽減税率が適用される。 2009 賦課年度には景気対策の一環として、所有者が自ら入居する住宅用不動産、商業用・工業用不動産の不動産税の 40% 割戻し( property tax rebate )が実施されている。

     2010 年度予算により、自己居住目的の住宅用不動産に対する不動産税に累進税率が 11 1 月から導入される。年間評価額の 4 %に一律設定している税率を 0 %(年間評価額の最初の 6,000S ドル分に適用)、 4 %(同 6,000S ドル超~ 6 5,000S ドル以下に適用)、6%(同 6 5,000S ドル超に適用)の 3 段階とする。自己居住目的外の投資用不動産に対する不動産税の税率は、現行通り一律 10 %を維持する。

 

相続税( Estate Duty

従来、シンガポール国籍を有する個人が死去した際に故人が保有する資産に対して 5 %または 10 %の税率で相続税が課せられていたが、 2008 2 15 日以降、廃止されている。